ダイナーLiar-S 芹ルートまとめ感想

 祝ダイナー処女喪失は芹です。ブラックジョークか?みたいなところがありますね。

 なんとなく"ヤバイ男"だということはキャッチしていたので、何がどうやばいのか早く知りたいのと、他キャラのルートでワーキャー言うためにも初回からゴー!

 

 序盤から見せるヒロインへの執着に困惑。たった一度会っただけの女に何を抱いているの……?一目惚れにしては初めて会った時に番号を交換してるのに連絡をしてきたことがないというところが謎を呼ぶ。

 人あたりが良く気さくで場を盛り上げてくれるタイプなのに、何を言っても胡散臭い。人のいい天然騙されやすそうヒロインもちょっと何でだろう……?という疑問を感じるレベル。そのためハルちゃんに関しては真剣に裏がない?何を考えているの?という。(しっかりこの世界から見ても違和感がありますとう描写で、とても良い)本人もボソッと「今のところは……、な」とか言うのでほんっっっとなんなんだ。

 ちょっと顔を知っている程度といえるただのファンであるヒロインに、Liar-Sを立て直すためのLiar-S「トモダチ」計画を提案してくる。主に朔良と千哉なんですが、めちゃくちゃヒロインに当たりが強い。

 芹自身も何の説明もせずに朔良や千哉のいるところに連れて行って「がんばれよ」と消えて行ったりする。

 純粋な好意にしては(そうだとは思ってないが)ヒロインが傷付くことをあえてしている。

 ちょこちょこ入る彼視点では、ヒロインを欲していることを口にしながらも、自分はキスで目覚めさせる王子様ではなく渦中に送り込んだ継母だと言うんです。

 この単純に好きとは言えないが、ヒロインにバチバチに執着していることは分かる。しかしながら、ヒロインと接しない空白の時間もある。恋なのか、愛なのか、憎悪なのか。ヒロインを苦しめる結果になってるよなということはわかるのに、憎まれるほどの接点もなく家問題とも考え辛いので全容がまるで掴めない。全ての片鱗を見せてくるからこそ複雑に見える……というがなんとも気になってプレイヤーの興味を引くのうますぎる!!となりますね。ずっと目が離せないんですもん。

 執着を見せて独占したい発言もありながら、朔良をけしかけてきて応援してるとか言ってくる場面も多々あって、苛立った朔良に男性として性的な脅しを受けて恐ろしい思いをしたこともあったのにそれでも「トモダチ」計画をやめなかったし、その時にいつもならこんな時は抱きしめるんだけどとか言ってたので、「トモダチ」計画でヒロインの心をボロボロにしたところを掻っさらう自作自演なのかと思ったんですよ。

 そしたら、芹自身もヒロインを襲ってきたのであれれ〜???ですよ。しかも場面が最悪。ヒロインの熱心さに朔良がもう一度歌おうとしてやっぱり現実はこんなもんとまた傷付いてもうやめてくれとヒロインを拒絶する為に再度襲おうととしてきた(未遂)心が完全に疲弊しているところですよ。(だからこそでもある!)掻っさらうどころか追い討ちかけてきたんだが!!?とびっくりしました。

 襲うだけじゃなくて、言葉でも存分に痛めつけてくる始末。

 最初の方から朔良のこと好きなんだろう?応援するぞ!と言っていたので襲ってくる時もバチバチ意識してて本気で言ってんのかなんなのかすべてにおいて確信が持てない。

 親友にも好きな人がいるんでしょ?じゃなきゃこんなに真剣になるのはおかしいよ。と言われるので、それが普通の反応ではあるし、そういう普通を(この世界においての基準として)演出してくるところが好きなポイントになってます。

 

 何が本心なの……めちゃくちゃじゃん……となっていたら、お待ちかねの彼視点!

 「穢れを知らない、純粋無垢なお嬢様。それを、俺がこの手で汚してやった。」

 「そんな優越感に浸っていられたものの……熱が引いた今、俺の胸には虚しさだけが残っていた。」

 「俺がどれだけ自分を捧げたところで、仁菜の想いは朔良に向けられたまま……。」

 彼視点で見える仁菜への強烈な想い最高で、してること最低すぎる。何を捧げられていたんだろう……?心か……?ヒロイン知るわけないな……。

 

 少し話は逸れるが、朔良に襲われた時も芹に襲われた時もヒロインの恐怖感情がガチで男性を前にしたときに簡単に逃げられない、体が固まるなど結構しっかり書かれていてよく伝わってくるのが良かったです。その分嫌悪感も抱いきやすいのもあるかなと思う。そもそもネタが人を選ぶので今更ではあるが。

 

 確認しておきたいのは、芹は最初からヒロインの関心を惹きたいんですよね。それにしてはやってることぐちゃぐちゃなんです。

 

 次の日から優しかった芹くんは当然ながらいません。

 処女喪失して心も疲弊したヒロインが心身共にしんどいなか自宅に帰ると新たな問題が勃発。郵便受けに脅しの手紙が投函されている。おまけに一緒に朔良といた写真まで同封されている。

 いや、タイミング良すぎるだろ〜っと芹を疑うヒロイン、ど直球に芹に訊くんですが、みみっちいことしないと否定されます。おまけに、大人気の朔良と堂々と一緒に居たもんな〜と嫌味までもらう。芹くんさんめちゃくちゃ嬉しそうで腹立たしい。そんで、守ってやると言ってくるんですよ〜もちろん断るんですけど、後日朔良のファンにリンチされそうになってしまい結局芹に助けられるオチ。

 結果はまあ半々。手紙の件は知らないと朔良ファンは何のこと?だったんですが、リンチは実際されかけたので。

 ここからの芹さん、手際よすぎてポカーン。最初のルートだしヒロインの両親、親のエゴしかない……?と考えちゃいましたね。

 もうどうにもできないから芹に頼ったらヒロインの自宅にお邪魔。何にも出来ないんだから黙って任せてろってやつです。家関係で顔など知られているので、すんなり家に通してもらったと思ったら嫌がらせされていることを早々に暴露。言わないで欲しかったヒロインは大混乱。

 さらには、ヒロインを芹の自宅で保護したいと申し出る。流石に友人である芹が何故そんなことするのか?となる両親にはい、恋人宣言!

 大きなことには出来ないから警察には相談したくない、自分が一緒なら目を離さずにいられるなどなど真剣に真摯に下手に両親を説得していくんですよ。結果‘’ 結崎“家の芹くんがこんなに言うならと全部了承されてしまいます。軟禁生活のスタートです!

 

 この日から学校も何もかも芹と一緒になるので周りにも交際していることのします。なんだかんだ祝福されたりするから芹の社会的信用が恐ろしいなと。

 彼視点で籠の鳥になったヒロインのことを喜びつつヒロインを傷つけて良いのは自分だけと歪んだ独占欲も見せつけてくる始末。ついでにそんな第三者は排除とばかりに手を回す様子もばっちり!

 

 そんなこんなでしばらく平和(?)にやっていたらハルちゃんに嫌がらせの件を聞いた朔良ちゃんからの電話で呼び出されます(絶対波乱じゃん……)

 本気の拒絶をしてきた例の日以来なんですけど、朔良ちゃんは本気で心配してくれているし申し訳なさそうで可愛い……(絆されています)

 それでも責めないヒロインに心を開くんですね、朔良ちゃん。

 未遂とはいえあんな事をされたのにと思いつつも、朔良自身が大好きな音楽で傷つき何もかもから目を背けたいことが痛い程伝わってきていたので、許しちゃいますね。朔良ちゃんは可愛い……。

 案の定この件でめちゃくちゃ機嫌が悪くなった芹が怒りに任せて連れ帰ってから手酷く抱くんですけど、さらには次の日から学校も行かなくて良いと芹の家に置いていかれます。

 軟禁→監禁!?昇格(降格)と思いきや監禁ではない。鍵は中から開けられるため、普通に外出が出来たので芹に黙って登校。

 何事もなかったなと気を緩めて帰宅しようとした所で誰かにクルマが向かってきている車道に突き飛ばされます。たまたま通りかかった?千哉に助けられて事なきを経て、帰路につくも芹の自宅ポストが目についてもしや……と覗いてみたらまあ嫌がらせされてて、恐怖に震えあがって嫌で仕方なかった芹の自宅に逃げ帰り、まだかまだかと芹の帰宅を待つ。

外出の件はもちろんバレているので俺だけが守ってやれると恐怖感情を煽り、頼らせていたのがわかる発言。執着がすごい!

 こんなことがあったので暫く監禁生活になり、精神の疲弊が激しいヒロイン。芹を待つだけの自分は一体何なんだろう?と。もうここに自尊心はないよね。

このままだと物語は進展しないので、ある日芹の提案でLiar-Sのライブに同行するか?という提案を受けます。

 擦り減った心と思考ですが、なんとか踏ん張っているヒロインがこれは逃げられるチャンスと考えてその申し出を受けて、メンバーと久しぶりの再会です。

 

 ここの朔良ちゃんが最高&最高で大好き!

 くだんの件で、心を開いてくれたのでちゃんと挨拶を返してくれるだけでなく、ヒロインの髪をくしゃっと撫でるというスキンシップ。さらには髪が乱れると抗議するするヒロインに優しく笑いかけてくるんですよ。可愛くないわけがない。傷付いた檜山少年は懐に入ってくると甘々なかわい子ちゃんなんだな〜とギャップにやられます。このドキドキともう一つ、ここには芹も居るのだが……と背中は滝の汗(わたしが)不満げではあったもののこのタイミングで、芹がスタッフに呼ばれたためこの場では怒ることはなかったので一安心しました。

 

 朔良と二人になりどうしようかと思案していたら、突然朔良が何かあったのかと問い掛けてきます。困惑を隠しきれないヒロインが言葉に詰まっていると、ヒロイン自身が気付いていないキスマークを示してきます。これで芹と恋人になったのかと思ったけど、あんたずっと芹の顔色見てるしと朔良ちゃん好感度爆上げもいい加減にして!!!と大歓喜

 相談する、しないの選択肢が出でくるんですが相談してたら一緒に逃げてくれる?と一瞬夢見てしまいましたね。最高の逃避行にしような!と。

 朔良ルートやった今そんなもん最初からないかと思ってるけど。

 とにかく朔良だけが二人の異常に気付いて、この場で声をかけてくれるんですよ。1番芹に意識されている彼が。(共通の最初の方で、朔良は関心がないようで1番、人の事を見ているという事を言われてたのでその回収としても良かったね)

 当然ながら朔良に相談することには至らぬままライブが終わります。この隙に一人で逃げようとするんですが、はい。完全に心が支配されているんですよ。芹には自分しか居ないのでははいか?あんなに不安定な芹を一人にしていいのかと。悩んでいたら芹と関係のあるファンに遭遇し、思わず駆け寄り声をかけます。

 ここで芹のこれまでの所業を暴露され、なんでそんなに憎まれてんの?と煽られます。私も知らない。

 呆然としていたら芹登場!全部本当だという肯定と加担していたファンにご褒美と称してあまつさえ目の前でキスし始めます。

 何が何んだか分からずいたヒロインが、次第に目の前の光景に嫌だ!と気持ちをぶつけるシーンは良かったですね。芹の反応が固まるんですよ。フリーズ。

そんなヒロインを見たらファンなど最早どうでもいい(そもそも最初からどうでもいい)

 

 ヒロインをホテルまで連れ帰って押し倒します。そのまま行為に移ろうとする芹を押し留め、さっき言われたことが気になるヒロインは自分にここまで執着するのはなぜか問い掛けます。

 

 ここでようやく芹の感情に真正面から触れ合えるわけです。

 「俺が、お前にこだわるのは……」

 「……お前が初めて、俺に振り向かなかった女だからだよ」

 !?!?!?!?めちゃくちゃ目シンプルかつテンプレみたいなこと言うじゃん……納得もできるが、え、でも連絡なかったじゃん……と動揺する私。

 

 そして物語は芹との出会いに遡ります。

 

 裕福で何不自由のないに生活に辟易していた当時の芹は、気まぐれに見た目がとても好みだったヒロインをナンパ目的で声をかけます。が、世間知らずで男性に疎いヒロインには打てども打てども響かない。諦めようとしたその時、逆に響かせられちゃったんですね。

 芹と同じように、裕福で何不自由のない生活について考えていたヒロイン。違うのは彼女はこの現状をどうにか変えたい、自分の力で、意思でチャレンジしたいと目を輝かせるんです。その言葉や輝きが辟易しながらも惰性で生きていた芹をえぐった。その後もヒロインのことを引きずって己を省みるんですね。芹の運命を変えたんですよ。

 このことがキッカケで芹は色んなことに挑戦するようになって、結果バンドに出会ってLiar-Sの前身となるS-leeperを結成するに至った。

 

 え、流石にそこまで繋がっていたとは思っていなかった。は?運命じゃん……ファムファタル……メビウスの帯のように切れずに繋がって循環していたなんて……言葉をなくしましたね!!!最高!!!

 

 ヒロインが運命を変えられた、衝撃を受け胸に響いたバンドは自分の言葉から始まっていた、こんなにもLiar-Sという根源の物語かつ女であったとは……。

 

 バンド活動が忙しくなり、そのままヒロインに連絡することがないまま時間が経過していき、ヒロインにとっての運命の夜。S-leeperのライブを聴いた日、芹もまた運命を感じていたわけですよ。

 

 今の自分を作るキッカケになったヒロインは特別で、もうつまらない人間ではないと思い知らせたくて2年越しくらいにかけてきた電話だったんですよ。

 そんな人の喜んでもらえることは至福で夢はもっと大きくなっていった。

 結果あの夜の後、留学に行ったヒロインがその後の活動を知ることはなく、ヒロインが帰国した頃にはLiar-Sは今にも壊れそうになっていて。その音を聞いて、昔と違うと悲しい顔をしたヒロインに対して憎しみが湧いてきた。愛情が反転したわけではなく、愛しているのを上回ったんですね。好意と憎しみが同時に感じられた理由はこういうことでした。

 キッカケを希望を与えてきた女は同時に、終わりを告げる女になちゃったんです、芹の中で。だから壊したくなった、めちゃくちゃに傷付けてLiar-Sと道連れにしようとした。にも関わらず、絶対に受け入れないだろうと思っていた朔良が心を溶かし始めて、ヒロインも楽しげに笑ったりするようになったことで気が気ではなくなってしまい、自分から離れていくかもしれないヒロインの意識を自分に向けようとしての合意なしのアレです。普通に最低です。本当は普通に惹かれ始めていたのにね……芹は知る由もないのが上手いところと言うには酷いんだよな。

 

 いや〜〜〜この辺りが本当にサビすぎます。複雑に見えていた芹の感情や思考は実は子供の癇癪のような側面があり、子が親の関心を引きたいがための独占欲でもあった。

 

 ここからヒロインの同情と哀れみとその全てを自分が受け止めて、恋愛なのか何なのか分からないままに芹にキスをするの最高〜〜〜〜!!!!!!!

 かわいそうと連呼するヒロインが言葉のナイフ振り回してどうにもなりようがなかった現実と無意識の願望を引き摺り出してくるのが性癖なので大興奮しました。ありがとう。

 

 これでようやく芹の本心に触れられたことで、本当のLiar-Sの立て直しのためには本心全てメンバーにぶつけようねと。ヒロインがこんなに歪な自分を受け入れたことで諦めながら諦めたくなかった芹の思いの背中を押します。

 

 朔良に思いの丈をぶつける芹はなんていうか悲しみち痛みと慈しみを抱えていて、愛を感じました。ヒロインには散々な事してきたのにメンバーにはこんなに遠慮してしまってだからこそどうにもならなくなって。みんな不器用で優しく思い合っているからこそ悲しい。

 

 ヒロインが向き合ってくれたことでメンバーとも向き合うことができてLiar-Sも無事復活。傷を抱えながら名前の付けられない感情で芹を求めるヒロインに、最初から最後まで心を囚われている男の物語大変面白かったです!

 

 ここまでが本編のお話し。まだencore specialエピソードも語りたいので、後日追記します!!